見えない波長領域で「見える!」を実現

(2020年6月)

机上のテストでは良好な結果が得られたのに、いざ現場のラインに導入しようとすると、

なぜかうまくいかない!そんな経験をお持ちではありませんか?

その原因はテスト時の環境と現場環境の違いによるものです。

 

今回はそんな導入時のトラブルに対して、ライティングのスペシャリストがどんな切り口で

問題解決に導くのか、その一例をご覧いただきましょう!

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • M係長・・・自動車部品工場で検査工程の改善に取り組む生産ライン責任者

~先日、テスト機を借りて、現場ラインで再現実験をおこなっておられたお客様から、

 ヘルプの要請が入りました。さあ、現場ではどんな事態が発生しているのでしょうか!?

Aくん

「あ~、しまった!!」

 

営業 Bくん

「ん?なんだなんだ?ひょっとして、さっきのハンバーガーショップで、

 デザートの三角チョコパイを頼み忘れたのをまだ悔やんでいるのか?」

 

Aくん

「違うよー。」

 

営業 Bくん

「あれは美味しいけど、お客様訪問の前はやめておいたほうがいいぞ。一口食べた瞬間に

 チョコがブワッとあふれて、この前はシャツがチョコまみれになったからなー!」

Aくん

「お前と一緒にするなっ!!

  道曲がるところを一本間違えただけだ! あ、ほら、そうこう言ってるうちに見えてきたぞ!」

 

営業 Bくん

「あ、守衛さんのところで検温チェックもやってるようだぞ。」

 

Aくん

「うちと同じで各社共に新しい働き方を取り入れて頑張っているみたいだね。

 そういえば、忘れずに問診票も書いて持ってきたか?」

 

営業 Bくん

「もちろんだともっ!!」

 

M係長

「やあ、Bくん、よく来てくれたね。 Aさんまで、わざわざありがとう。」

 

営業 Bくん

「M係長、こちらこそ先日はお忙しい中、ご来社ありがとうございました!」

 

Aくん

「先日ご提案した構成で、ご評価いただいた結果はどうでしたか?」

 

M係長

「実はね。実験室で確認させてもらった時は、結果がすごく良かったので、

 早速テスト機を借りて再現実験したんだけど、現場で試したらさっぱりなんだよ。」

 

営業 Bくん

「え~! あんなにハッキリ見えていたのに!!」

 

Aくん

「ご提案したのは紫外光照明を使って、蛍光したグリスの付着を観察する方法でしたね。」

 

M係長

「そうそう、紫外光を照射しながら、紫外光をカットするフィルターも使って、

 グリスだけが見事に光っていたんだけど、現場ではそんな感じで見えないんだ。」

 

営業 Bくん

「グリスの材質が変わっちゃったんですかね??」

 

M係長

「いや、それはないよ。先日持って行ったワークでも試したんだけど、見えないからねー。」

 

Aくん

「一度、現場の環境を拝見してもいいですか?」

 

M係長

「もちろんだとも。ほら、あれが照明を取り付けて検証しているラインだよ。」

 

営業 Bくん

「う~ん。見る限り、先日組み上げた構成とまったく同じ位置関係に見えるけどなぁ。」

 

Aくん

「M係長、あのカメラのすぐ上に付けてある投光器は何か意味があるんですか?」

 

M係長

「あ、これのこと? 作業者がこの自動検査のすぐ後で別部品を組み付ける作業をするから、

 作業しやすいように全体を明るくしているんだ。」

 

Aくん

「なるほど。原因はわかりました。犯人はこの投光器ですっ!!!」

 

営業 Bくん

「ふぉ、ふぉ、ふぉ、さすがは名探偵。 ワシが見込んだだけのことはあるのぅ~。」

 

Aくん

「お前のそのキャラクター設定、1ミリも意味がわからんぞっ!」

 

M係長

「ハハハッ! でも、まさか、あの投光器が悪さしていたなんて!

 しかし、まいったなぁ、あれを取っちゃうと他の作業に影響出るし、どうしたものかなぁ。」

 

Aくん

「そうですね。蛍光したグリスの光は、それほど明るくないので、カメラの露光時間も

 長く設定しなければなりませんから、外乱光の影響を受けやすいんですよ。」

 

営業 Bくん

「万事休すかっ!!」

 

Aくん

「いや、、あきらめるのはまだ早いぞ!見える環境がダメなら、見えない環境で勝負だっ!!」

 

営業 Bくん

「おいおい!ちょっとおだてたら、名探偵気取りで、意味不明なことを言い出したな!」

 

Aくん

「お前と一緒にするなっ!」

 

M係長

「でもAさん、見えない環境って一体どういうこと??」

 

Aくん

「はい。実は今の構成は目に見えない紫外光を照射しているんですが、

 フィルターを使って可視光、つまり人間の目で見える波長領域の光を観察しているんです」

 

M係長

「ふむふむ」

 

Aくん

「ところが可視光の領域では、蛍光したグリスだけでなく、投光器の波長までも拾ってしまい、

 安定した画像が得られない状況になっているわけです。」

 

M係長

「なるほど。」

 

Aくん

「そこで逆転の発想で、紫外光の領域のみを観察すれば、どうなるか?

 ちょっとフィルターを変更して見てみましょうか。」

 

営業 Bくん

「え?どうなるの?どうなるの?」

 

Aくん

「はい。この通り!!」

 

M係長営業 Bくん

「おー!すごい! 明るい箇所と暗い箇所が反転した!グリスがこんな風に見えるとはっ!!」

 

M係長

「しかも投光器の影響が完全に抑えられているっ!!」

 

Aくん

「ここで用いたのは紫外光のみを透過させるバンドパスフィルターです。

 これを用いれば人の目で見えている波長領域の光はすべてカットできます!」

 

M係長

「まさかフィルター1つでここまで画像が変わるなんて、手品みたいだ!」

 

Aくん

「よろしければ、紫外光の観察に適したカメラやレンズもご提案できますので、

 最適な構成に変更することで、もっと効果的に観察できますよ。」

 

M係長

「どうもありがとう!早速これで検討してみよう。いや、ほんと来てもらってよかったよ!」

 

営業 Bくん

「よし、決めた! これでいこう!

 このイリュージョンを引っ提げて、一緒に世界巡業の旅に出ようじゃないか!」

 

Aくん

「名探偵の次はマジシャンかーーーーーっ!!!」


おわり

■今回のストーリーで解決に導いた「バンドパスフィルター」

■マシンビジョンカメラレンズ用 バンドパスフィルター製品情報

■お問い合わせ

フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。

恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。