2025-04-30
シーシーエス株式会社の中川です。
先月のコラムで、「植物栽培の環境条件は1つだけ良くても生産量は上がらない」ということを記載いたしました。
温室での補光導入を考える際に、「光を増やすと、収量が増えるのか?」は、最も重要なポイントです。
今回はそれを確認し、効果の可視化のサポートを行った事例を紹介します。
クニエダ株式会社(以下、クニエダ)様は、
高圧ナトリウムランプでの補光を行いながら、バラの生産をされています。
高圧ナトリウムランプからLED照明に置き換えることで、
消費電力は現状よりも低減しつつ、補光の光強度を1.5倍以上にできるのですが、
「バラは、増やした光を活用するのか?」を当社の植物マニア1号とともに確認しました。
この装置は葉を挟み、その葉に送る空気のCO2濃度と、葉に送った後に出てくる空気のCO2濃度を精密に測定し、
その葉がどれだけCO2を吸収したのか測定できます。
CO2の吸収量が多い=光合成の量が多い、と考えて、光合成の量をリアルタイムに調べることができます。
下記のグラフが測定結果です。
横軸が光の強さ、縦軸がCO2の吸収量(光合成の量)を表しています。
・太陽光のみ(●)
・太陽光+現状の補光の光強度(●)
・太陽光+LED照明置き換え時の補光の光強度(●)
の、3つの条件で測定をしました。
このグラフが示すように、光の強さが高くなると、CO2の吸収量は右肩上がりで増えることが確認できました。
これらのLED照明導入の効果を可視化したデータは、融資元への説明資料として、クニエダ様に活用頂きました。
補光はコストがかかる技術のため、確かなデータを元に、効果を見極めることが重要です。
一般的には栽培試験を行って収量への効果を確認しますが、半年、あるいはそれ以上の時間がかかる場合もあります。
もちろん、栽培試験をする目的は、
光が増えたことによる植物の反応の違いの確認や、環境制御の管理方法の変更など、
収量の確認以外にもございますが、
短期間に補光による成長促進効果が得られるのか?を確認するには、
今回ご紹介したような方法もございます。
こうしたサポートも提案の一環で行っておりますので、
ご関心をお持ちの方は、ぜひ一度、お問合せください。
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