2026-06-26

遠赤外線?いいえ、遠赤色光です

シーシーエス株式会社の中川です。

私たちがご提案している植物工場向けのLED照明のラインアップには、
遠赤色光を含む製品があり、
レタスやイチゴ等、多くの作物で、
白色光よりも収量が上がることが分かっております。

遠赤色光について、多くの方は、遠赤外線のこと?と思われるのではないかと思います。

それもそのはずで、
遠赤色光とは、植物学関係で使われる言葉で、
一般的な言葉ではありません。

遠赤色光とは700〜800nmの光のことで、800nm以上の近赤外光と区別して呼ばれています。
植物が光合成に利用できる波長域(光合成有効放射:400〜700nm)からは外れていますが、
植物の成長に影響を及ぼす波長域(生理的有効放射:300〜800nm)です。

植物に影響する光の範囲と代表的な発光色のLEDのスペクトル
図1 植物に影響する光の範囲と代表的な発光色のLEDのスペクトル

遠赤色光は植物の形態形成や花芽形成に影響するため、
上手に利用することで、形や花をつけるタイミングを制御することができます。

図2は遠赤色光の有無以外は同等の条件で栽培試験をした際の
フリルレタスの葉の画像です。
遠赤色光を含む光源で栽培した方が、
明らかに葉が大きくなっており、
1株の平均重量も20%以上増加しました。

遠赤色光を含まない光源(左)と遠赤色光を含む光源(右)で栽培した際のフリルレタスの葉
図2 遠赤色光を含まない光源(左)と遠赤色光を含む光源(右)で
栽培した際のフリルレタスの葉

赤色光(660nm)は光合成に利用(吸収)されやすく、
上部の葉を透過すると減衰しますが、
遠赤色光は吸収量が少ないため、
上部の葉の陰になる下部の葉に当たる光は、
赤色光と遠赤色光の比率が変わります。

葉での赤色光と遠赤色光の吸収の違いのイメージ
図3 葉での赤色光と遠赤色光の吸収の違いのイメージ

植物は赤色光と遠赤色光をそれぞれ感知しており、
遠赤色光の比率が高くなると、
他の葉の陰(弱光下)にいると認識して、
光を求めて葉を大きくしたり、茎を長くしたりするような形態変化を示します。

この特性をうまく利用することで、
光を受ける葉の面積を増やすことができるため、
光合成の量が増えて、
収量が増えることに繋がります。

しかし、遠赤色光を含む光で栽培すると、
葉の厚みや色が薄くなるなどの変化も伴うことが多く、
シャキシャキ感や色味などを重視する際には適さない場合がございます。

当社では、お客様の目的やご要望に合った光をご提案しております。
栽培用の照明をお探しの方は、ぜひ一度ご相談下さい

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