光と色の話 第一部

第42回 連載終了に当たって

2011 年(平成 23 年)3 月に本連載「光と色の話」の第1回をスタートして以来、1 ~ 2 ヶ月に 1 回のペースで、早いもので、約 5 年の間に第 41 回( 2016 年 3 月)まで来ました。
「明るい」、「暗い」とはどういうことか、という話から始めて、光に関する基本的性質、評価・取り扱い方、色の見える原理、混色、各種発色現象、表色、演色性、色彩心理、等に亘って、できる限り平易な説明を心掛けてきたつもりですが、いざ原稿を作成するとなると、思っていた以上に難儀の連続でした。正確さ・厳密さと分かり易さを両立させることは、筆者の能力を超えるところであり、うまく表現しきれなかった部分が随所にあったことを今更ながら反省せざるを得ません。

「光と色」については、まだまだ興味深い現象も数多くあり、また当然の事ながらこれまで取り上げたテーマについても、もっと突っ込んだ話もあるのですが、入門的なところについてはざっと表面的・総括的に採り上げてきましたので、この連載としては、ひとまずこれで一区切りとしたいと思います。

(仕事や私生活に関わらず)私たちの日常生活全般に亘って、「光」や「色」が如何に密接に関係しているか、改めて言うまでもありません。世間一般では、「色」と言えば、多くの場合は、絵画やデザインなどの芸術系(もしくは心理系)のものという感覚で語られることも多いのですが、その「中身」はと言えば、これまでお話してきましたように、心理学的要素だけではなく、物理学、生理学にも深く関係しています。

つまり、「光」や「色」を探求するということは、関連する学問分野が極めて広範囲に亘っているのが特徴的で、学際的な検討要素が多分に含まれるため、他の研究テーマの場合と比べて、少しばかり様相が異なっていると言えそうです。

このような事情から「光」や「色」は、情緒的側面と論理的側面の両面を併せ持って、人間生活のあらゆる場面において切っても切れない関係を持つ存在であると言えます。

第 12 回の説明からもお分かり頂けると思いますが、「色(物体色)の基本的三要素」である、光源、物体、視覚について言えば、光源と物体に関しては物理的要因のみで論じることができ、視覚に関しては外界からの物理刺激に対する生理的・心理的応答という形で作用するということになります。「論理的」である物理的側面においても、光学は勿論のこと、電磁気学、量子力学、熱力学、数学(幾何学、代数学)、化学、生物学、気象学、天文学、・・・等々、関係分野は多岐に亘っています。

この物理的刺激と生理的・心理的応答の間は、単純なものではなく、三要素間の組み合わせによって極めて多様に変化します。特に生理的・心理的要因が支配する「視覚」については単純にはなかなか説明しきれない場合も多く、情緒的・主観的・定性的で「色の道は奥深い」と言われる所以でもあります。芸術を代表とするような精神活動面においては、直感的・情緒的な要素が重要視され、そこに豊かな「人間らしさ」が創造されていくとも考えられますが、ただ、そうは言っても、芸術などの精神活動面であっても、目的や課題によっては、可能な限りの論理的・客観的・定量的な考察・説明が重要となることも否定できません。つまり、それだけ「光」や「色」は、人間(ばかりではなく人間以外の動物も含めて)生活の精神面から物質面まで、あらゆる活動にとっての土台に深く関与していると言っても過言ではありません。

本連載では、冒頭言でも触れましたように、「マシンビジョン」に関係する方々に「ヒューマンビジョン」と「マシンビジョン」の関係を意識しながら、「光」と「色」の正体に興味を持っていただくことを念頭にしてまいりました。そのような背景もあって、(光や色の生理的・心理的な側面にも触れましたが、)全体的には主として物理的側面に重点を置いた説明となっております。 WEB 連載ということもあって、連載開始時に想定した読者・・・「マシンビジョン」関係者・・・だけでなく、思いもよらず様々な分野の多くの方々にもお読みいただきましたようで、筆者としては望外の喜びとするところです。誤記や説明の拙さなどのご指摘をはじめ、様々なご感想を頂きましたこと、本連載を終えるに当たりまして改めて深く御礼申し上げます。有難うございました。

2016 年 5 月

連載終了に当たって

光と色の話 第一部

第42回 連載終了に当たって

2011 年(平成 23 年)3 月に本連載「光と色の話」の第1回をスタートして以来、1 ~ 2 ヶ月に 1 回のペースで、早いもので、約 5 年の間に第 41 回( 2016 年 3 月)まで来ました。
「明るい」、「暗い」とはどういうことか、という話から始めて、光に関する基本的性質、評価・取り扱い方、色の見える原理、混色、各種発色現象、表色、演色性、色彩心理、等に亘って、できる限り平易な説明を心掛けてきたつもりですが、いざ原稿を作成するとなると、思っていた以上に難儀の連続でした。正確さ・厳密さと分かり易さを両立させることは、筆者の能力を超えるところであり、うまく表現しきれなかった部分が随所にあったことを今更ながら反省せざるを得ません。

「光と色」については、まだまだ興味深い現象も数多くあり、また当然の事ながらこれまで取り上げたテーマについても、もっと突っ込んだ話もあるのですが、入門的なところについてはざっと表面的・総括的に採り上げてきましたので、この連載としては、ひとまずこれで一区切りとしたいと思います。

(仕事や私生活に関わらず)私たちの日常生活全般に亘って、「光」や「色」が如何に密接に関係しているか、改めて言うまでもありません。世間一般では、「色」と言えば、多くの場合は、絵画やデザインなどの芸術系(もしくは心理系)のものという感覚で語られることも多いのですが、その「中身」はと言えば、これまでお話してきましたように、心理学的要素だけではなく、物理学、生理学にも深く関係しています。

つまり、「光」や「色」を探求するということは、関連する学問分野が極めて広範囲に亘っているのが特徴的で、学際的な検討要素が多分に含まれるため、他の研究テーマの場合と比べて、少しばかり様相が異なっていると言えそうです。

このような事情から「光」や「色」は、情緒的側面と論理的側面の両面を併せ持って、人間生活のあらゆる場面において切っても切れない関係を持つ存在であると言えます。

第 12 回の説明からもお分かり頂けると思いますが、「色(物体色)の基本的三要素」である、光源、物体、視覚について言えば、光源と物体に関しては物理的要因のみで論じることができ、視覚に関しては外界からの物理刺激に対する生理的・心理的応答という形で作用するということになります。「論理的」である物理的側面においても、光学は勿論のこと、電磁気学、量子力学、熱力学、数学(幾何学、代数学)、化学、生物学、気象学、天文学、・・・等々、関係分野は多岐に亘っています。

この物理的刺激と生理的・心理的応答の間は、単純なものではなく、三要素間の組み合わせによって極めて多様に変化します。特に生理的・心理的要因が支配する「視覚」については単純にはなかなか説明しきれない場合も多く、情緒的・主観的・定性的で「色の道は奥深い」と言われる所以でもあります。芸術を代表とするような精神活動面においては、直感的・情緒的な要素が重要視され、そこに豊かな「人間らしさ」が創造されていくとも考えられますが、ただ、そうは言っても、芸術などの精神活動面であっても、目的や課題によっては、可能な限りの論理的・客観的・定量的な考察・説明が重要となることも否定できません。つまり、それだけ「光」や「色」は、人間(ばかりではなく人間以外の動物も含めて)生活の精神面から物質面まで、あらゆる活動にとっての土台に深く関与していると言っても過言ではありません。

本連載では、冒頭言でも触れましたように、「マシンビジョン」に関係する方々に「ヒューマンビジョン」と「マシンビジョン」の関係を意識しながら、「光」と「色」の正体に興味を持っていただくことを念頭にしてまいりました。そのような背景もあって、(光や色の生理的・心理的な側面にも触れましたが、)全体的には主として物理的側面に重点を置いた説明となっております。 WEB 連載ということもあって、連載開始時に想定した読者・・・「マシンビジョン」関係者・・・だけでなく、思いもよらず様々な分野の多くの方々にもお読みいただきましたようで、筆者としては望外の喜びとするところです。誤記や説明の拙さなどのご指摘をはじめ、様々なご感想を頂きましたこと、本連載を終えるに当たりまして改めて深く御礼申し上げます。有難うございました。

2016 年 5 月

連載終了に当たって

Q1.参考になりましたか?
Q2.次回連載を期待されますか?
Q3.連載の感想がありましたらご記入ください。

アンケートにご協力いただきありがとうございました。