AI+フラットドーム照明を使って
目視外観検査を自動化

六甲バター株式会社様

六甲バター株式会社(以下、六甲バター)は、1948年創業、
Q・B・Bチーズブランドとして、主に海外から原料チーズを輸入し、
プロセスチーズ等を製造して販売しています。

同社は2019年4月に、基幹工場だった稲美工場(兵庫県加古郡)から、
現在の神戸工場(神戸市西区)へ移転し、生産を開始しました。
移設工事については、現時点でほぼ完了しています。

今回は、目視検査の自動化に取り組まれた、
六甲バター生産本部 神戸工場稼働推進室の小泉忠氏に、
お話をお伺いしました。

六甲バター株式会社 神戸工場

六甲バター株式会社 神戸工場

  • 目的
    アルミ包装されたチーズの目視外観検査の自動化。
    チーズの付着、アルミ包装の折り目や潰れ、開封用の赤いタブなど様々な種類の不良検出を行う。
  • 課題
    ルールベース方式の検査では自動化できなかった。
    AIでも、自動的に不良品を認識するまでに、かなりの時間と手間がかかっていた。
  • ご提案
    画像処理検査用LED照明「フラットドーム照明」を使用した撮像方法。
    直方体のチーズに対し2方向から照射することで、底面以外をまんべんなく撮像することを可能とした。 クリアで明るい視野の画像を得られるため、アノテーションがしやすくなった。
  • 効果・目標
    外観検査の自動化により、そこに働く検査作業者の省人化を目標に、進めている。
  • ※ルールベース方式:
    人が、画像データを基に判定アルゴリズムを作成し、そのアルゴリズムに沿って対象画像に対し判定を行う方式
  • ※アノテーション:
    画像処理検査においては、撮像した画像に対し不良箇所の指定を行うこと

ルールベースではなく、
AIなら自動化できるかもしれない

六甲バターでは、国内チーズ需要の順調な拡大に伴って、生産体制を強化し
生産量アップを進めてきました。

しかし、生産量の増加に比例して不良品を選別する目視検査員も増加してしまうため、
将来の人員確保が難しくなる事を見越し、
目視検査をはじめとした工場作業全体の自動化というテーマに取り組んできました。

工場で働く目視検査員の方々は、検査以外にもチーズの重量選別をはじめ、
発生する包装ロスの廃棄作業などのほか、工程に異常が起こっていないかを
目や耳で判断し、 その日の状態把握も行っています。
それらを一つずつ解決しながら、進めてきました。
しかし、チーズ包装の外観検査自動化はこれまでのルールベースでは困難であり、
懸案のテーマとなっていました。

ルールベースの外観検査が難しいのは、食品では、不良のパターンが非常に複雑で
多様であり、 機械が不良品をNGと判定する基準(閾値)を
設定することが難しいなどの理由から、
食品工場における目視検査を完全に自動化することは非常な難問で、
さまざまな試行錯誤を繰り返してきました。

そんな折、AIやディープラーニング技術の進展を知り、良品を学習させて、
良品以外はNGと判断するAIなら目視検査の自動化ができるのではないか、と考え、
2017年頃より導入検討を開始されました。

六甲バター株式会社 小泉 忠 氏

六甲バター株式会社 小泉 忠 氏

AIならもっと簡単に不良を認識すると思っていた

小泉氏は、それまでルールベース方式での外観検査の自動化検討にも取り組まれてきた経験から、
「機械が正しく不良を認識するには、特徴を的確に捉えて撮像するための
照明とレンズが極めて重要」と考えていました。

しかし、慎重に照明・カメラ・レンズを選定して実証実験を行っても、
撮影環境を整えていくたびに機器の入れ替えが必要となるなど、困難の連続でした。

照明やレンズも数種類使用し、シーシーエスのテスティングルーム(実験室)も利用して、
少しずつ不良検出の精度を向上させていきました。

撮像条件が変わるたびに、数万点の画像を取得し、その画像に対してアノテーションを行うのですが、
この作業を何度も繰り返すことは非常に手間がかかり、
学習データに必要な画像取得に1年~1年半もかかる程でした。

そんな折に、シーシーエスのフラットドーム照明の新機種「LFXVシリーズ」が発売になり、これを試したところ、
発光面に印刷されたドットパターンによる画像への影響が低減された(従来品からの改良点)ことから、
アノテーション作業は格段にし易くなりました。

ラインに流れてくるチーズに対して照明を照射しカメラで撮像している。

ラインに流れてくるチーズに対して 照明を照射しカメラで撮像している。

最終検査自動化システム 構成
(ベビーチーズ充填包装機に取り付け)
  • カメラ・レンズ
  • 検査用LED照明
  • GPU搭載のコンピュータ
  • 位置検出センサ
  • エアーによる不良品排出装置
  • 制御用コンピュータとタッチパネル

「不良の特徴を引き出した画像を最初から取得することができれば、AIによる自動化はスムーズだろう。
そういった意味で、撮像のプロであるシーシーエスに最初から相談し、
AIが不良を認識しやすい画像を取得することは極めて重要なポイントだと思う。」(小泉氏)

今後は、横展開を実現しながら
NG要因が分かるようにしたい

目視検査を自動化することは、多くの食品工場の課題の一つです。

今回、AIを活用して自動化に取り組んだ六甲バターでは、
このベビーチーズの充填包装工程で必要だった20名を超える人員を、数名程度まで減らすことを目標として、
次々と生じる課題を乗り越えています。

「最初に完成したAIモデルは、隣のラインに簡単に横展開できるというわけには行かなかった。
製造機一台一台に同じAI判定モデルを使って検査を行うのは、当初からの目標で、それが完成形と思っている。
加えて、他工程・他製品への展開を視野に行動していきたい。」(小泉氏)

製品紹介

フラットドーム照明「LFXVシリーズ」(写真)
フラットドーム照明「LFXVシリーズ」

コンパクト、薄型設計で省スペースに貢献。
ローアングルからハイアングルまで幅広い用途に対応し、
ワークに近い距離からの照射ではドーム照明の効果を、
遠い距離からの照射では同軸照明の効果を再現します。

製品紹介ページを見る

シーシーエスの
AIソリューション

目視で検査しているけど、AIで自動化できないか?
AIで検査してみたいけど、何から始めればいいか見当がつかない・・・。
AIって種類が多くて、どう違うのかわからない・・・。

このような課題を解決するのが、シーシーエスの「AIソリューション」。
充実した設備を持つ「AIラボ」、様々なサービス、長年にわたって蓄積したノウハウで、
AIによる外観検査をサポートします。

シーシーエスの
AIソリューションの流れ

  • 1.一次検証・トライアル
    検証対象品(良品/不良品)を複数ご持参いただき、照明・カメラ・レンズ等の機材を選定し、最適な撮像条件に設定のうえ画像を取得します。取得した画像をもとに、1つまたは、複数のソフトウェアで検証を実施します。
  • 2.n増し撮像
    検証対象品(良品/不良品)を多数お送りください。照明・カメラ・レンズ等の機材を選定し、最適な撮像条件に設定のうえ画像を取得します。
  • 3.実証実験
    取得した大量の画像をもとに、1つまたは、複数のソフトウェアで検証を実施します。

AIラボは京都・東京にございます。
見学(無料)も行っておりますので
お気軽にお問い合わせください。