モノクロカメラとカラーカメラの使い分け

(2017年11月)

マシンビジョンを導入する際、モノクロカメラとカラーカメラのどちらを使うか迷った経験をお持ちの方が多いと思います。

いったいどういう基準で使い分ければ良いのか。

今回はそんな疑問に、ライティングの観点を織り交ぜながら、解説していきたいと思います。

いつもおなじみの名コンビとお客様のやり取りで、解決法を探っていきましょう。

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • T主任・・・これからマシンビジョンシステムを導入しようと検討中のパッケージ製造メーカーの生産技術担当者

今日はお客様がオープンしたばかりの博多テスティングルームにご来社され、

マシンビジョン導入のためのライティングの相談をいただけることになっています。

本社から出張でやってきたAくんと、営業Bくん。今回はどのような展開が待っているのでしょうか?

Aくん

「やってきました!博多!!

 この街はなんだか活気があっていい街だな。」

 

営業 Bくん

「明太子に博多ラーメン、もつ鍋に水炊き、

 だめだ!もう、何食べたらいいか、考えられなくなってきた!!」

 

Aくん

「こらこら、観光に来てるんじゃないだぞ!

 博多テスティングルームは... あ、あの建物だ!」

 

営業 Bくん

「おお!博多駅から徒歩5分!これは便利だ!!」

 

Aくん

「よ~し、急いでお客様のお出迎え準備、始めるぞ。」

 

 

ピンポ~ン♪

 

 

Aくん

「あ、T主任がいらっしゃったぞ!」

 

営業 Bくん

「T主任、ようこそ、いらっしゃいました!」

 

T主任

「本日はどうぞよろしくお願いします♪」

 

Aくん

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。さぁさ、どうぞ、どうぞ!」

T主任

「いつも京都本社のほうにお邪魔していたけど、タイミングよく博多にテスティングルーム

 開設されたと聞いて、飛んできたよ。」

 

営業 Bくん

「ありがとうございます!オープンしたてのピッカピカですよ♪」

 

T主任

「おお!すごい!入口は普通のマンションだけど、中は壁一面に照明が並んでいて、壮観だなぁ!」

 

Aくん

「大抵のことはここにある機材でできるように充実させましたからね。」

 

営業 Bくん

「ところでT主任、今日はどういったご相談で?」

 

T主任

「いや、実はね、新しく検査装置を考えているんだけど、予算的にあまり掛けられなくて

 困っている案件なんだ。」

 

Aくん

「このワーク間の色味の状態を検査するんですか?」

 

T主任

「そうなんだよ。一見、簡単そうに見えるでしょ? 

 でも、先日モノクロカメラをメーカーから借りてトライしてみたら、

 全然うまくいかなくてね。。。」

 

営業 Bくん

「目で見た感じでは、この色味の違い、わかるんですけどね。」

 

T主任

「やっぱり、カラーカメラ使わないとどうしようもないのかな??」

 

Aくん

「もし、この色の違いのみを見分けたいのでしたら、カラーカメラを使わなくても大丈夫ですよ。」

 

T主任

「え?何かこの状況を打開できるいい方法あるの??」

 

Aくん

「ちなみにモノクロカメラで試された時に光源は何色を使われましたか?」

 

T主任

「手元にあった白色のバー照明を使ったよ。白色を使っておけば無難かなと思ってね。」

 

Aくん

「なるほど。では、一度こちらの青色照明使って見てみましょう。」

 

T主任

「な、なんと!!

 同じような当て方をしてるのに、社内で確認した結果と全然違うぞ!!!」

 

Aくん

 「そうなんです。ワークの分光特性に合わせて光源色を最適化すれば、この通りです!」

 


ワーク画像


モノクロカメラ+白色照明


モノクロカメラ+青色照明

T主任

「こら、たまがった! もう、カラーカメラ使うしかないと思ってたよ。」

 

営業 Bくん

「今回はこちらとこちらの色の2種を判別する形でいいんですよね?」

 

T主任

「そうそう。この2品種の判別ができればOK。」

 

Aくん

「だったら、モノクロカメラとこの青色の照明で決まりです!

 もし、更に複数色をを判別しなければならない場合は、

 さすがにカラーカメラが必要ですけどね。」

 

営業 Bくん

「モノクロカメラと単色の波長を使うメリットは、実は他にもあるんですよ♪」

 

T主任

「え?なになに??」

 

Aくん

「LEDの照射波長帯域は、カラーカメラが持つRGBそれぞれの感度領域よりも狭いんです。」

 

T主任

「狭いと何かいいことあるの?」

 

営業 Bくん

「大有りも大有り。オオアリクイですよ!」

 

Aくん

「......。

 狭い波長になればなるほど、必要な特徴をピンポイントで取り出すことができる訳です。」

 

T主任

「特徴をピンポイントでというのはいいね!」

 


カラーカメラで撮影し、青色(B)のデータのみ取り出した画像


青色照明を照射し、モノクロカメラで撮影した画像よりコントラストが高い

Aくん

「そうですね。非常によく似た色に対して、カラーカメラではその違いが見てとれない場合でも

 モノクロカメラと単色照明の組み合わせでコントラストを高めることもできたりします。」

 

営業 Bくん

「まだまだこんなもんじゃありませんよ!」

 

Aくん

「モノクロカメラを使用すると、

 一般的なカラーカメラのファイル容量を1/3にまで抑えられます。」

 

T主任

「データをOK品、NG品に関わらず全部残そうとしたときには、それはありがたい!!

 モノクロカメラを使用するのは単にコストの問題だと思っていたけど、考えが変わったよ。」

 

Aくん

「カラーカメラが持つ3つのフィルタが存在するという特徴、モノクロカメラが持つ、単色光を

 活用できるという特徴、それぞれの特性を活かし、照明と絡めて最大限の結果を引き出す。

 課題解決のためには、照明だけでなく、カメラやレンズの選定も重要なんです。」

 

T主任

「シーシーエスが照明に詳しいだけでなく、カメラに対して、こんなにも提案してくれるとは

 思ってもみなかった!!」

 

営業 Bくん

「ラーメン屋でチャーハン注文したら、それも激ウマだった! みたいな感じでしょ?

 いや、違うかな。

 カフェでコーヒーを注文したら、カプチーノにラテアートがついてきた!みたいな感じかな?」

 

Aくん & T主任

「変な例えで、逆にわからなくなるわーーーーっ!!!」

 


おわり

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