ラインカメラの死角をなくし、均一に撮像できる効果的な手法

(2023年 7月)

ラインカメラを用いて凹凸ワークの検査をする際に、画角の問題で端部に死角が発生してしまい、
うまく検査できないといった問題があります。凹凸の影を消し込むことは可能でも
広範囲の死角をなくすことが出来るのでしょうか? そんな難題にいつもの2人が挑みます。

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • U主任・・・基板検査装置の開発を進める装置メーカーの若手技術担当者

今日はお客様がご来社され、ラインカメラを用いた実験をおこなう予定です。

営業 Bくん

「フン、フン、フ~ン♪」

 

Aくん

「お? 今日はやけに上機嫌じゃないか?」

 

営業 Bくん

「実はさっき、半年前から進めてきた検査機の注文がほぼ確定となって、

 天にも昇るような気持ちになっているところなんだ。」

 

Aくん

「おいおい、浮足立ってると、足元救われるぞ!」

 

営業 Bくん

「任せてくれたまえ!

 こう見えても俺は、石橋を叩き過ぎて壊すくらいの慎重派だからな!」

 

ピンポ~ン!

 

Aくん

「あ!しょうもないこと言ってるうちにお客様がいらっしゃったぞ!」

 

営業 Bくん

「これは、U主任、ようこそ!

 今日は実装基板上の異物検査のテーマでご相談でしたね。

 どんな難題もサクッと解決して見せますよ!このライティングコンサルタントAが!!」

 

Aくん

「こら!詳細も確認せずに、無茶振りするな~!」

 

U主任

「それはとっても頼もしいんですが、今回ばかりは難しいかもしれません。」

 

Aくん

「と言いますと?」

 

U主任

「実は、見たい個所が物理的に見えていなくて、ライティング以前にそもそも検査できるのか疑問で...。」

 

Aくん

「ワークサンプルを拝見する限り、基板上に部品が所狭しと実装されていますね。」

 

U主任

「そうなんです。基板全体を検査するため、広い視野が必要ですが、

 端のほうにある部品の隙間に異物が入り込んだ場合、画角の問題で見ることができないんです。」

 

営業 Bくん

「わかりました!それではとっておきのものをお持ちしましょう!!

 この大砲のような超低倍率テレセントリックレンズを使えば、一発で見れるようになりますよ!」

 

U主任

「うわ!でかっ!!

 言い忘れてましたが、装置の制約上、上部にほとんど設置スペースが取れないんです。

 頑張れても200mm程度ですね。」

 

営業 Bくん

「ぎゃふん!!」

 

Aくん

「通常のカメラとレンズを使ってこのスペースで対象の視野を観察しようとすると、

 どうしても画角の問題で死角が発生しますね。」

 

U主任

「やっぱりそうですよね...。

 無茶を言ってるのはわかってるので、どうしようもなければ諦めます。」

 

Aくん

「いや、ちょっと待ってください!

 これを使えばその問題、解決できるかもしれませんよ!」

 

U主任

「この長細いものは照明ですか?」

 

Aくん

「いえ、これは照明ではなく、カメラの代わりとして使えるContact Image Sensor(CIS)です。

 こちらを使用することで限られたスペースで画角の影響を受けずに検査が可能なんです。」

 

U主任

「それなら端の隙間に入り込んだ異物も捉えられそうですね!」

 

営業 Bくん

「おいおい、大丈夫か!?確かCISって設置距離がだいぶ近くなるから、実装部品の影を

 消し込めるような背の高いドーム照明は設置できないんじゃなかったか??」

 

Aくん

「今までのCISでは難しかったけど、ワークに近接しなくても良い機種が登場したんです。

 これだったら、まだ対応できる照明がありますよ。」

 

U主任

「このCISで本当に画角の影響を受けないか、試してみることはできますか?」

 

Aくん

「もちろんです。これからセッティングしますので少々お待ちくださいね。」

 

ゴソゴソゴソ...。

 

Aくん

「お待たせしました!設置完了です!」

 

U主任

「おお!コンパクトですねー!

 でも設置してみると、やっぱり照明の設置スペースは限られそうですね。」

 

Aくん

「今回使用するCISはワークまでの距離を50mm確保できるので、その空間のなかで

 照明の最適化も図ってみます!今回はこちらの照明を使用しましょう!」

 

U主任

「これはよくエリアカメラで使用するフラットドーム照明ですか?

 確かにスペース面では有利ですが、ラインカメラだと明るさは大丈夫でしょうか。」

 

Aくん

「こちらは、ラインカメラ用に特化した特注照明で、観察軸以外をすべて発光面にした

 高出力フラットドームになります。CISの効果と合わせてその実力をご覧ください!」

 

シュイーーーン!

 

Aくん

「こちらが取得した画像です。」

 

U主任

「こ、これはすごい!!

 これまで実装部品の出っ張りが邪魔で見えていなかった個所までちゃんと見えて、

 さらに、凹凸のところはドーム効果で影がほとんど消えて、光量も十分ですね!」

Aくん

「これこそがCISと限られたスペースで均一照射を実現できるフラットドーム照明の効果です!」

 

U主任

「いや~、まさか、物理的に見えない問題まで解決して最適な照明まで提案してもらえるなんて、

 期待していた以上の成果でしたよ!」

 

Aくん

「これは無理かな、と思う案件でも、まずはお気軽にご相談ください!

 今回のように意外な方法で解決できるケースはありますので!!」

 

U主任

「それは頼もしいです!ぜひ、そうさせてもらいます!

 あれ、ところでBくんはあんなところで肩を落としてどうしちゃったんでしょう?」

 

営業 Bくん

「ガーン!受注ほぼ確定って言われた案件が仕様変更で振出しに戻っちゃった...。

 頼む!こっちの案件も意外な方法で今すぐ受注に結び付けてくれー!」

 

Aくん

「お前の無茶振りにこれ以上付き合っていられるか~っ!!」


おわり

Contact Image Sensor(CIS)+フラット ドーム照明のご紹介

コンパクトに設置でき、歪みの無い撮像が可能なContact Image Sensorと組み合わせて使用できる
ラインセンサ用 フラット ドーム照明(特注品)で、凹凸ワークに対して画角の影響を受けずに、
均一な撮像が可能になります。

Contact Image Sensor(CIS)+フラット ドーム照明のご紹介


徒然日記でご紹介したContact Image Sensor(CIS)+フラット ドーム照明は、
8月24日(木)開催オンラインセミナー『照明+αで課題解決!ソリューション事例セミナー』でも
ご紹介いたします。その他にも多数の事例を用意していますので、ぜひご参加ください。


今回ご紹介した製品は、シーシーエスのテスティングルームで、
ライティングコンサルタントにご相談いただきながらお試しいただくことが可能です。

ぜひ、下記フォームよりお問い合わせください。

■お問い合わせ

フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。

恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。