複数検査を超高速で実現する裏ワザ

(2024年1月)

複数の項目を1度で検査する場合、複数照明の点灯切り替え撮像や、複雑な画像処理が必要になり、
処理時間がかかって目標のタクトタイムを超えてしまい、生産数を上げられない。
そんな課題に、超高速で画像処理ができる、目からウロコの方法をご紹介します。

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • S課長・・・電子部品のメーカーで検査装置の自動化の取りまとめをしている責任者

今日はお客様が難しいテーマの相談があるということでご来社される予定です。

パァーーーン!!

 

 

営業 Bくん

「うわぁ~!助けてくれ~!!」

 

Aくん

「なんだなんだ?今日は一体何をしでかしたんだ!?」

 

営業 Bくん

「見てくれよ~!ちょっと荷物を持ち上げようと踏ん張ったら、

 ズボンが勢いよく裂けちゃったよ!」

 

Aくん

「そしたら、このガムテープで内側から補強しとけ!

 どうせ、お正月にご馳走食べ過ぎて大きくなったんだろ?」

 

営業 Bくん

「おかしいなぁ?今年はお雑煮を12杯に止めておいたし、そんなはずないけどなぁ。」

 

Aくん

「いや、お餅も入ってその量食べたら、大きくならないほうがおかしいぞ!」

 

 

ピンポーーーン!

 

 

Aくん

「ほら、お客様を迎えに行くぞ!」

 

営業 Bくん

「動くとゴワゴワして気持ち悪いよ~。」

 

Aくん

「S課長、ようこそいらっしゃいました!

 今日は、だいぶ難しいテーマだとお伺いしましたが?」

 

S課長

「そうなんだ、この基板上の金パッド部分とレジスト部分の両方の欠点を同時検査したいんだけど

 検査項目が多いし、そんな欲張りな構成はさすがに無理だよねー。」

 

Aくん

「検査項目はキズ・汚れ・異物付着に打痕ですか。

 これが反射率の大きく異なる部位に点在するとなると、照明条件も複数になりますね。」

 

営業 Bくん

「それだと、複数照明での点灯切り替えが必要ですね。

 S課長、装置スペースを空けて照明を入れ込めそうですか?」

 

S課長

「照明の設置スペースの方は、何とかできそうだけど、照明を切り替えながら

 複数回撮像した画像をそれぞれ解析して欠点を抽出する時間がおそらく取れないよ。」

 

営業 Bくん

「そんな無茶な!それだと、撮像と同時に画像処理まで完了させないと無理じゃないですか!」

 

S課長

「そうだよね~。さすがに今回ばかりはお手上げかな。」

 

Aくん

「これらすべての項目に対応した検査を行うには、方向の異なる光を複数回照射して

 合成処理することで特長の異なる複数種類の画像が取得できる

 ラインフォトメトリックシステムが必要ですね。」

 

営業 Bくん

「でも、フォトメトだと有効な画像は撮れても、スピードが追い付かないぞ?」

 

Aくん

「通常なら処理時間が掛かり過ぎて適用できませんが、この構成なら、いけるかもしれません。」

 

S課長

「お、それは一体どんな構成なの?」

 

Aくん

「はい。これは従来のラインフォトメトリックシステムに、

 高速のデータ転送が可能なCoaXPressのインターフェースを持つカメラを組み合わせています。

 さらに、Basler社の画像処理開発環境『VisualApplets』で開発した

 画像処理アルゴリズムを、フレームグラバーに内蔵されたFPGAで動作させることで、

 撮像と同時にフォトメトリックステレオ処理を行うことができるんです。」

 

S課長

「...んー。。なるほど?」

 

営業 Bくん

「言葉で説明聞いても、なんだかよくわかんないですよね!」

 

Aくん

「そうですね。実際にセッティングしてみますので、速度を体感してみてください。」

 

 

ゴソゴソゴソ...。

 

 

Aくん

「お待たせしました!これが超高速リアルタイムフォトメトリックシステムです!」

 

 

シュイーーーーン。

パパパパパッ!!!

 

 

S課長

「な、なんと!カメラで普通の画像を出力するのと変わらない速度で

 これだけの異なる処理結果の画像を出力したんですか!?」

 

Aくん

「はい。画像取り込みと同時にフォトメトリックステレオ処理を行っています。

 この構成では16Kラインカメラをラインレート100KHzで撮影しています。

 4方向からの照明を切り替えて処理をしているので、16Kのラインカメラから

 25kHz相当の速度でフォトメトリックステレオの画像がリアルタイムに出力されます。」

 

S課長

「これは驚いた!特徴の異なる欠点が見事にすべて捉えられている!

 この速度で処理できるなら、実ラインへの投入も出来そうだよ!」

 

Aくん

「ぜひ、ご検討ください。

 FPGAで処理することで、PCに負荷をかけずに高速に画像処理が可能で、

 安定した処理時間で画像処理が出来ますよ。」

 

S課長

「こんな風にカメラと照明の組み合わせで課題解決できることもあるんだね!

 あれ?ところでBくんはどうしたのかな?」

 

営業 Bくん

「ほら、どうですか!ご覧ください!!

 私もFPGA処理に負けない機敏な動きで、細やかなサポートをしますよ~!」

 

Aくん

「ああー! 動きが激しすぎて、ズボンが色んな方向に一気に裂けてるぞ~!」

 

 

 

ビリ!ビリビリビリッ!!

 


おわり


超高速リアルタイムフォトメトリックステレオ

複数項目の同時検査に有効なフォトメトリックステレオは、画像処理に時間が必要となりますが
Basler社の画像処理開発環境「VisualApplets」で開発した画像処理アルゴリズムを
フレームグラバーに内蔵されたFPGAでにて動作させることで、撮像と同時に画像処理が可能です。

撮像構成:ラインスキャンカメラ+フォトメトリックステレオ

4方向の照明効果を1ステージで撮像することで、
ワーク表面の柄を除去した、シワや凹凸を捉えやすい画像取得が可能です。

撮像構成:ラインスキャンカメラ+フォトメトリックステレオ

画像処理:VisualApplets+フレームグラバー

Basler社の「VisualApplets」は、
フローチャート形式の直感的な操作画面による
画像処理アプリケーションの作成ができるFPGA開発ソフトウェアです。
フォトメトリックステレオの高速画像処理を実現します。

  • ●FGPA高速画像処理
  • ●CPU負荷ゼロ
  • ●処理時間の高い安定性

その他、様々な用途に応用可能です。



本製品は、シーシーエスのテスティングルームで、
ライティングコンサルタントにご相談いただきながらお試しいただくことが可能です。

ぜひ、下記フォームよりお問い合わせください。

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