長い円筒物の検査で困られている方必見の照明法

(2025年6月)

長い棒状の円筒物体を検査しようとすると、色々な課題が出てきます。
特に、表面状態が鏡面に近いと、光を照射しても全周を均一な状態にできず、
どうやって全面検査をしようか?と困るケースが多いのが現状です。
そんな課題に対して、いつもの二人が驚きの解決方法を紹介します。

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • U主任・・・金属棒の製造加工を手掛けるメーカーで検査自動化に取り組む担当者

今日は新人営業マンEくんが、お客様から預かったワークサンプルを前に照明選定をしています。

Aくん

「雨がなかなかやまないな~。
 うわ!なんだ!?物干し竿みたいなもの持ってどうしたんだ?」

 

営業 Bくん

「ああ、これか。この後の来社実験で使うワークだよ。
 カットサンプルを送ってもらえるのかと思ったら、
 結構長いのが届いちゃって、これで実験ってできるかな?」

 

Aくん

「できないことはないけど、やりにくさ満点だな~」

 

ピンポーン...。

 

 

U主任

「ごめんくださーーい!」

 

Aくん

「あ!ほら、お客様がいらっしゃったぞ!
 うわ!危ない!!それを担いだまま振り返らないでくれよ!」

 

営業 Bくん

「いらっしゃいませーっ! U主任、今日は大雨のなか、ご来社ありがとうございます!
 濡れた上着、お預かりしますよ。この物干し竿に掛けて乾かしておきますね。」

 

Aくん

「こらこら、お客様のワークだろ!!」

 

営業 Bくん

「わぁ!思わず物干し竿として扱ってしまったぁ!」

 

U主任

「はは、まぁ、似たような円柱金属だから物干し竿みたいなもんだけどね。」

 

営業 Bくん

「ところでこのワークの何を見たいんですか?」

 

U主任

「この部分だけ一部変色しているのがわかるかい?」

 

Aくん

「反射して分かりにくいですが、ちょっと黒っぽい部分がありますね。」

 

U主任

「そうなんだ、でも見ての通りピカピカの金属棒だから、照明を借りてテストしたんだけど、
 照明がスジ状に写り込むだけで、なかなかワーク全周をカバーしながら検査は出来なくてね...。」

 

営業 Bくん

「確かにこれだけピカピカだと、検査はあきらめて洗濯ものを干したくなりますよね。」

 

Aくん

「それはお前だけだ!
 全面検査ですからカメラ複数台で全周をカバーするような構成でお考えですよね?」

 

U主任

「カメラ4台くらいで90度ずつカバーできればいいなって考えてるんだけど、
 隙間に照明を置いても一部にしか光が写り込まなかったんだ。」

 

Aくん

「そういうことでしたら、面白い照明があるので、これを使って実験してみましょう!」

 

U主任

「うわ、この筒型の照明は一体?どうやって使うんだ?」

 

Aくん

「この筒型の照明ですが、実は内面が均一に光るんですよ。
 その光をワークに写り込ませて検査をするんです。ちょっとセッティングさせてもらいますね。」

 

 

ゴソゴソゴソ...。

 

 

Aくん

「お待たせしました! それでは撮像していきますね!」

 

U主任

「なんと、この筒の中にワークを通すのか!」

 

Aくん

「はい。この構成でしたら、複数のカメラを全く同じ条件で設置して
 全周を漏れなくカバーすることが出来るんです。取得した画像もご覧ください。」

U主任

「おお!すごい! ワーク全体を均一な明るさで撮像できてる! 
 しかも、見たい欠点部分がハッキリと見えてるじゃないか!」

 

Aくん

「はい。ワークを均一な発光面で囲い込んで、返ってくる正反射光を捉えることで
こんな風に変色部だけ暗くしてコントラストを付けることが出来るんです。」

 

U主任

「こんな方法、考えてもみなかったよ!確かにこれなら、どの方向のカメラでも同じ条件で観察できるし、
 カメラ4台あれば全周カバーも可能だね!」

 

Aくん

「照明の筒の中に通す形になるので、どんなに長いワークでも対応できる点もメリットです。
 今回は変色がターゲットでしたので、この方法をご提案させていただきましたが、
 凹凸系の検査に有効な類似の手法もあるんですよ。」

 

U主任

「うわ、それはすごく気になる!このワークとは別の、打痕とかの検査をしている製品もあるんだよ。」

 

Aくん

「そういう場合はこちら穴あき面照明の穴部分にワークを通して、
 同様にカメラで斜め観察する方法もあります。」

 

U主任

「へぇ~。すごい!でも、その方法でも見たい個所全周が均一に見えるんだったら、筒と何が違うの?」

 

Aくん

「光の当たる方向です。筒型照明の場合は様々な角度から光がやってくるので、
 凹凸系の欠点があった場合は逆に見えにくくなってしまうんですよ。」

 

U主任

「穴あき面照明の場合はカメラと反対側にしか光がないからか!」

 

Aくん

「その通りです!もしここに凹凸があった場合、カメラと反対側から光が入れば
 その部分が影として現れるので、凹凸をしっかりと捉えることが出来るんです。」

 

U主任

「なるほど~!よく考えて作られているね!でも、長尺ものワークは、
 穴の中に製品を通すのがなかなか難しいケースも多いんだよね。」

 

Aくん

「そんな時もお任せください!こんな照明も製作実績があります。」

 

U主任

「おお!Uの字に穴が開いてるぞ!」

 

Aくん

「この照明、全周カバーはできないんですが、穴をU字状にすることで、
 ワークを下から通して、簡単に設置が出来るんです。
 この照明を2台使用してそれぞれ180度ずつカバーすれば、
 上面の検査と下面の検査に分けて全周観察も可能です!」

 

U主任

「これはすごい!棒状ワークに対してここまでいろんな検査手法があるなんて思ってもみなかったよ!
 ぜひこの方式で検討させてもらうよ。
 あれ?ところでBくんは、あんなところで何をしてるのかな?」

 

営業 Bくん

「ほら、見てください!この筒型照明、こうやって腕を通して光らせたら、
 血圧まで測れちゃうんですよ~!」

 

Aくん

「こらーーーっ!!
 この筒型照明は血圧計じゃないわーーー!」

 

U主任

「・・・・・。確かにあの機械に似てるかも...。」

 


おわり

光沢・長尺ワークの外観検査ソリューション(筒型照明)

筒型照明(特注品)

◆ 照明の中にワークを貫通させる構造で長尺の円柱ワークにも対応し、
  全周を同一の撮像条件で観察可能
◆ 複数のカメラ・レンズと組み合わせることで全周観察が可能

ワーク(金属ロッド棒)の撮像例と撮像構成例


シーシーエスは、検査環境一式のトータルソリューションをご提案します。

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