狙った特徴だけを可視化する。過検出を減らす最新手法
(2026年6月)
検査の際に、ワーク表面に付着した汚れを無視して、欠けやキズのみを見たいというケースがあります。
通常のライティングでは難しく、複数回の撮像をして見たい特徴だけを抽出するアプローチが必要ですが、
移動するワークの場合、上手く検査ができないことがあります。
今回は、そんな課題を解決できる最新手法をご紹介します。
登場人物
- ライティングコンサルタント Aくん・・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導くコンサルタント
- 営業マン Bくん・・・元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
- R課長・・・・・・電子部品の外観検査装置の改善に取り組む製造ライン担当者。
今日はお客様が相談したい案件があるということで午後からご来社いただく予定です。
「これは、すごいことを発見したぞ!」
Aくん
「どうしたんだ? うわ、そのファミリーパックのアイスを全部食べる気か?」
営業マン Bくん
「おう!暑いから、さっきコンビニで買ってきたんだ。
それより聞いてくれ、かき氷はいっぱい食べると頭が痛くなるけど、
バニラやチョコ系のアイスはいくら食べても痛くならないぞ!」
Aくん
「うーん。。今日もやっぱり、どうでもいい話だな~!」

ピンポーン...。
R課長
「ごめんくださーい!」
Aくん
「あ!お客様がいらっしゃったぞ!
もう残りのアイスも詰め込め、詰め込め!」
営業マン Bくん
「ぐわっ!頭は痛くないけど口の中が冷たすぎて痛い...。」
Aくん
「いらっしゃいませ。R課長、お待ちしてました!どうぞこちらへ。」
R課長
「Aさん、お世話になります。Bくんは口から白い息出して、相変わらず気合入ってるね!」
営業マン Bくん
「フガフガ...。」
Aくん
「怪獣みたいでしょ?(笑)ところで、今日はどんなご相談で?」
R課長
「実は、導入しているチップ部品の検査機で、最近NGが連発しててね。
よく見たら、こんな感じで白いパッケージ部分に汚れが付着しているんだ。」
Aくん
「これはNGというわけではないんですか?」
R課長
「そうなんだ。汚れは性能上問題ないのでOKで通したいんだけど、全部はじいちゃってね。
本来は欠けやキズのある製品だけをNGとしたいのに、過検出で困っているんだよ。」
Aくん
「汚れがだいぶハッキリしてるので、
普通のライティングで撮像したら一緒にこの特徴が捉えられてしまいますね。」
R課長
「困ったなぁ。何とか切り分ける方法があればいいんだけど。」
Aくん
「画像を複数枚撮像して合成処理するフォトメトリックステレオを使えば、
見たい欠点と、除外したい汚れを切り分けられる可能性がありますよ。」
R課長
「へぇ~!一度見てみたいな。」
Aくん
「では用意しますね。」
ゴソゴソゴソ...。
Aくん
「お待たせいたしました!こちらがフォトメトリックステレオシステムです!
早速、撮像してみますね。」
ピカ、ピカ、ピカ、ピカ!
R課長
「おお!照明が4つに分割されて順番に点灯してるね。」
Aくん
「その通りです。分割数はワークや観察したい特徴によって変わりますが、
今回は4方向から光を照射して撮像した画像を合成しています。結果をご覧ください。」
R課長
「おー、欠けやキズだけが明瞭になった!
ただ、これって複数回撮像するからワークは静止しないとダメかな?」
Aくん
「そうですね。複数枚の画像を取得する際に、ワークが動いて位相がずれてしまうと
合成がうまくいかなくなりますね。」
R課長
「そうかぁ~、タクトタイムを考えると、
ワークは止めず、移動させながらの検査を想定してるんだよ。」
Aくん
「そういうことですか。では使用するカメラは限定されるのですが、
このカメラを使用する構成をお勧めします。」
R課長
「え?カメラを変えるだけで何か変わるものなの?」
Aくん
「はい、実はこのカメラに搭載されているソニー社製のIMX900というイメージセンサーには
Quad Shutter Controlという機能があり、
2×2の画素単位で個別の4種類の露光開始のタイミングの制御ができるんです。」
イメージセンサーの動き(動画)
「む……よくわからないけどその機能があると、さっきと違うの?」
Aくん
「撮像で得られる画像の画素数は違いますが、基本的に同じ画像になります。
4枚の画像取得を圧倒的に高速で実現できるので、移動体でもばっちりです!
ちょうど展示会用に準備しているものがあるので、ご覧ください。」
R課長
「なんと、高速回転しているギアの側面をリアルタイムに撮像して、合成処理までしてるのか!」
Aくん
「その通りです。このIMX900センサーを搭載したBasler社のカメラを用いて
デジタル電源PD4シリーズが持つシーケンス制御機能と組み合わせることで、
移動するワークでもブレの少ない画像取得ができ、
質の高いフォトメトリックステレオ処理を実現しています。」

「すごい!これだけの高速移動体に対応できるなら、安心だよ!」
Aくん
「今回は欠けやキズに適したモードでご覧いただきましたが
逆に汚れなどの検査に適した画像も同時取得可能ですので
ぜひ前向きにご検討ください!」
R課長
「なるほど、今回は除外対象の汚れも、同時検査しようと思えばできるわけか!」
Aくん
「はい。フォトメトリックステレオであれば
凹凸情報を取り出すことも、汚れなどの色味情報を取り出すこともできます。」
R課長
「そんな欲張りな構成がこんなに高速で実現できるなら、他にもいろいろ使えそうだし
他のテーマでもぜひ検討させてもらうよ!
あれ?ところでBくんは?って思ったら、何か抱えて戻ってきた!」
営業マン Bくん
「欲張りって点では私も負けてはいませんよ~!
追加のアイス、買ってきたので一緒に食べましょう!」
Aくん
「さっきも山ほど食べまくってたのに…お腹壊しても知らないからな~!」
■ソニー社製IMX900 Quad Shutter Controlを活用し4枚の画像を超高速に取得
照明の発光とシャッタータイミングを同期させることで、移動するワークでもブレの少ない画像取得ができ、
質の高いフォトメトリックステレオ処理を実現します。

本製品は、評価機貸出のほか、シーシーエスのテスティングルームで、
ライティングコンサルタントにご相談いただきながらお試しいただくことが可能です。
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